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今日のPIT

NMAXのフライホイール

NMAXのエンジンがオイル切れの為焼き付きと言う修理ですが、オイルが少ない場合ピストンピンとコンロットが溶着します、V125などもオイルが少ない状態で使用していると同じところのトラブルがありました、けっこうクランクケース内の雰囲気により潤滑しているのが分かります、今回のエンジンはコンロットが使えないのでクランクAssyで交換になります、見ていたユーザーさんはコンロットの交換だけで済むはずなのにと思っていたのでしょう、クランクシャフトまで交換は納得できないようでした、クランクを分解して精度よく組み立てる作業の工賃を考えていないようでした、クランクAssyの方が安いんです、ご自分で分解して組み立てるのであれば話は違いますが、ここからは内燃機屋さんの仕事になります、特に4サイクルのクランクピンの勘合は手ごわいです、プレスでクランクピンを抜いていきますが、大音量とともに一気にずれます、そこからまた圧を掛けて押していきます、あまりやりたくない作業です、そのようなクランクの話よりも、毎回ドキドキな作業はフライホイールの取り外しです、なぜかNMAX、Tricityはフライホイールの勘合がきついです、今回もまたこの作業に3日ほど費やしました、毎回ドキドキものです、炙り、叩き、浸透、冷却繰り返して3日間です、外れた瞬間はなんとも言えない至福の時です、その時の余韻にしばらく浸ります、なぜこんなに取れないかは謎ですがこれが毎回のルーティンです。

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時間を見て、浸透させ、炙って、冷やして、叩いて、回して思いつく限り試します、しかしビクともせず、頭をよぎるのはフライホールを切断している風景。

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外れてしまえばなんてことなくきれいな物です、錆ついてボロボロならいざ知らず、すまし顔が現れます、この3日間あれば十二分に作業は終わっています。

 どのぐらいで作業が終わりますか、との問いに今回はなんて答えましょうか、オークションでエンジン買った方が早かったですねとでも答えましょうか、人それぞれです。

 

Tricity125 2バルブエンジン ボアアップ

Tricity125のボアアップの問い合わせを多くいただいておりますが、エンジンの構造が同じTrcity125でも大きく変更があり、取り付けるボアアップのキットが大きく変わります、まず車両の判別を年式、型式などで確認してから選んでください。

① Trcity125 2CM SE82J 2015年より12月より発売、2バルブエンジン

② Trcity125 BU54,BR75 SEK1J 2018年1月より発売、4バルブエンジン

①は初期のトリシティーでエンジンは2バルブエンジンです、それに対して②のトリシティーは4バルブエンジンです、このエンジンはNMAXとだいたい共通で、ボアアップキットはエアロックス、のちのグリファスなどと共通と言えます、①のトリシティーのボアアップは扱っているメーカーさんが少なく当店では扱いがありません、それに対し②のトリシティーは最新のグリファスとだいたい同型の為ボアアップはグリファスの物が使用できます、取付に際しては追加部品を必要とします。さて今回預かった車両は①のトリシティーです、当店ではボアアップの商品を扱っていませんのでお客様にはネットで手に入れていただき、持込で交換させていただいています、キットには大容量インジェクターが付属されておりECUなどのコントロールは不要です。

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これが今回持ち込まれたキットです、かなり以前から流通しているキットです。

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キットを組み込むとこんな感じです、大きなピストンが迫力です。

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シリンダーヘットにキットのガスケットをあてがってみましたボアの大きさが一目で分かります、バルブは2バルブです。

 このキットはリペアパーツとしてガスケットキットが販売されていない為(私が知らないだけかと思いますが)ヘットガスケットが抜けた場合のリペアが心配です、この2バルブエンジンはサーモスタットの開き始める温度が高い為あまり負荷をかけての使用を得意としない傾向があります、同時に水温計を取付チェックしたいものです。

グリファスのボアアップキット

当店人気のボアアップキットとして、パーティーアップさんからボアアップキットを分けてもらっていますが、今日もいつものボアアップ組付けを始めたところ、順調に分解して各部清掃、スタットボルト増し締め、さてボアアップキットの下ごしらえと思い箱を開けると、冷却フィン付きのシリンダーが出てきました、不覚にも間違えてシグナスXのボアを注文してしまったか、とよく見るとなんか不思議物に見えます、シグナスXのような、グリファスのような、なんだこれ、これはパーティーアップさん新製品だ、バージョンアップしていました、知らなかった、初めて見ました、大至急ホームページの写真を入れ替えなければ、と思いながら作業続行、順調に進みます。

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確かに水冷シリンダーです、これで夏場に余裕ができます。

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ピストンなどは以前と変わりなく高品質です。

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まるでシグナスXのシリンダーみたいです。

 

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ヘットの収まりもいい感じです。

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組付けてしまえば上からはチョット覗けるくらいです。

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エキゾースト側にはさらに効果ありそうです。

 台湾のグリファス開発の凄いところです、それをいの一番にデリバリィーしてしまうパーティーアップさんは凄い、今後ますますグリファスの新製品に期待が高まります、国内でも台数が増えていますのでこれから楽しみです。

 

ベスパ ET4の修理

ベスパと言うと2サイクルを連想していましたが、今回は4サイクルの50ccです、ある一定走ると止まってしまうとの事、まずは燃料系のチェックからガソリンコックが負圧タイプですがガソリンが流れてきません、まずはコック交換、次キャブレーターオーバーホール、パイロットスクリューのパーツ欠品これを補充、まだ何となく調子が出ない、次、圧縮を点検、なんか弱い、この手の車両は整備データーが手に入りにくく、バルブクリアランスを点検、インテーク0、改めてデーターを探すことに、ありましたIN 0.10mm EX0.15mmやはりこんな数値でした、その後テスト走行10km調子良く走りました、意外とスピードが出るので驚き2サイクルのET3とまではいきませんが、十分車の流れに乗れます、ここまでは良かったのですが次なる壁が立ちはだかりました。

過充電!

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バッテリーの端子電圧が18Vぐらいまで上がるのを発見、密閉タイプのバッテリーが付いているのでこのまま使うと爆発します。手前のDUCATIが交換したレギュレーター新品はホーンの奥に取り付け。

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レギュレーターが国産車のタイプと違い、レギュレータ、ウインカーリレー、ヘットライト点灯回路、点火出力のバランスなどが電気回路で組み込まれています、わかる範囲で調べましたが、さすがドゥカティ社の電気機器です、複雑でわかりません、とりあえず新品に交換。

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バッテリー端子電圧、回転を上げても14.4V正常値に戻りました、ET4は50ccと125ccガ存在しています、エンジンオイルのメンテナンスや今回のレギュレーターも125ccとは別物でした、なんか特別感があり興味をそそられますね。

 

 

グリファス定番のボアアップ

シグナス グリファスの定番のボアアップとして大流行のボアアップです、

TRHC-Partyup 181ボアアップキット STAGE1

パーティーアップさんより発売されているこのボアアップキットはお手軽に取り付けられて価格も抑えられています、181ccにハイカムなども付属されており満足いくボアアップキットです、当店ではこのキットをグリファス、X FORCE、NMAX125・155、Tricity125・155などにも装着しております、(Tricityはブルーコアエンジン4バルブ車)なんといってもノーマルECUで燃調がコントロールできるのがうれしいところです、最大回転数を9500rpm台に抑えたハイカムがパワーを絞り出し、また回転を抑えることによりエンジン内部消耗が抑えられ長くボアアップマシーンを楽しんでいただけます。

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ボアアップキット組み込みが終わり、慣らし運転が始まります、交換した部品はTRHCの箱に収まりますので、そのままメットインに入れてお渡しできます、いよいよ楽しい時間が始まります。

 

 

今日のシグナスXのお客様

シグナスXのケースボーリングの依頼を受けたお客様がご来店しました、クランクのベアリングの勘合が気になり、ついでなのでチェックすることになりました、がしかしエンジンは車体に乗っている状態、なるほどケースだけを手に入れそちらでエンジンを組む作戦だったわけです、ケース加工をした後でがたがひどく使えませんとは、言えません、早速車体分解作業開始となりました。

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車体からエンジンが下りました、これからエンジンの分解作業そして手前のクランクケースにてがたの点検となります。

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分解後のクランクケースに合わせ、がたの点検、合格です、良かった、本人たちも初めての分解作業に満足してくれたみたいです。

 シグナスXのケースボウリングの場合クランクベアリング勘合部のがたの点検も同時に行いたいものです、中には露骨にひどいものがあります、またスラスト方向(クランク左右方向)のがたも止めておきたいものです、この場合はシムの追加で解決しますので組み立てながらといったところです。

 

Tricity155 ボアアップその後の異音

Tricity155にパーティーアップのボアアップを組み込み後、早1万キロ走破のお客様からエンジン異音の知らせが、ボアアップのそろそろ寿命なのかななどど思いながら、、、症状は突然エンジンから音が出始めてゴトゴトと打音のような回転に合わせてのリズム、しかし5000rpm当たりあらは音は消えるとの事、カムのベアリングの損傷かな?しかし音色が違う、バルブクリアランスが大きくなるのであればもう少し高音域の音のはず、それに高回転域で音が止まるはずは無い、ヘットから下の損傷ならアイドリングの不安定が出るはず、などと考えながら、ヘットカバーオープン、バルブクリアランスに異常なし、あ!!カムチェーンが緩んでいる。

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外見上は元気そうなテンショナー

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ロットが力なく戻っている

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丸い鶴牧ばね?が折損してロットをホールドできずにカムチェーンの力で押し戻されています。

 

 

 NMAXの初期モデルはリコールがあったと記憶がありますが、ある程度走行するとこのようなことも起こるみたいですね。

 

 

 

Tricity125(2V)セル空回り

Tricity125初期型2バルブエンジンで以前から気になっていたことがありました、ボアアップにてセルに負担をかけていたのですが、そろそろワンウェイクラッチが空回りしだしてそのうち交換と思っていたら、突然空回りでエンジンかからず、大変つらい思い出があります。今回のお客様も突然の空回りでエンジンかからず、Tricity125は構造上しょうがないんですよと説明したところ、裏切られました、(良い意味で)改善パーツに変わっていました、自分の以前交換した純正部品から明らかにパワーアップしています。(写真参照)

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Tricity125-2型のブルーコアエンジンとレイアウトは同じです。

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これが、改良型ワンウェイクラッチです、旧部品番号で注文しても新部品番号になり、ヤマハより発送されます、シグナスXの強化バージョンみたいに、3玉から5玉に強化されあのベアリングケージが削除されています、これで少し無理ができます、以前は3回空回りして4回目にはエンジンがかかりませんでした。

10年前の車両でもちゃんと改善パーツが出るとは驚きです、流石ヤマハ、もしかして使っている方々の強い要望が届いたのでは、緊急出動で突然セル空回りでは仕事になりませんから、どのような方々が使っていてもユーザーとしては大歓迎です。

 

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ローラーはかなり摩耗していますが、ケージにより飛び出ないようにブロックされています。

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全体の眺めです、これでは全くかみ合いません。

 

 

モンキーカスタム

今回は4ストミニの雄モンキーです。たくさんのカスタムパーツ類が販売されていて目移りマシマシです。お客様の個性が出てくるマシーン作りのお手伝いですが、もちろんパーツチョイスはお客様、何をしたいか打ち合わせです、今回はヘットライト持参です。

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お客様のカスタム方向性に合わせ、持ち込まれたヘットライト、これに合わせメーターの移設に伴いメーターステー製作、各スイッチ類の移動、配線の加工、そのほか追加フォグランプの取り付けなど、アドリブ満載です。

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最近の流行り?綺麗です。

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ヘットライト交換によりサイドに鍵を移動しました、モンキーなどの4ストミニはカスタムの定番として、もはや定着してます、単なる流行りではなく、時とともに進化しています、これからも進化続けるのでしょう。

 

 

 

 

 

リード125 JF45 エンジン不調

ホンダ リード125のエンジン不調の修理です、症状はアイドリング不調、始動性が悪いとの事、最近FI車が多いので、アイドルソレノイド、インジェクターの詰まり、スロットルボディーの汚れ、エアークリーナーの汚れなどありがちなところから見ていくと、なんとも改善無、プラグ、そしてエンジン本体とだんだん深みにハマっていく事に、結果的にはバルブクリアランスに原因が有りました、インテーク0.05mm、エキゾースト0mmと、なんとこんな事が、規定値のインテーク0.1mm、エキゾースト0.24mmに調整して一件落着、かなりバルブシートとバルブが摩耗していることでしょうが、とりあえず様子見です、またクリアランスが詰まってくるようでは分解してとなります。

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さすがホンダ車です外装の巧みな組み合わせあちらこちらに隠れているビス類素晴らしい。

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圧縮上死点はカムスプロケットの凸部で合わせます、近代のエンジンらしくローラーロッカアームです。