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2024年12月

NMAXのフライホイール

NMAXのエンジンがオイル切れの為焼き付きと言う修理ですが、オイルが少ない場合ピストンピンとコンロットが溶着します、V125などもオイルが少ない状態で使用していると同じところのトラブルがありました、けっこうクランクケース内の雰囲気により潤滑しているのが分かります、今回のエンジンはコンロットが使えないのでクランクAssyで交換になります、見ていたユーザーさんはコンロットの交換だけで済むはずなのにと思っていたのでしょう、クランクシャフトまで交換は納得できないようでした、クランクを分解して精度よく組み立てる作業の工賃を考えていないようでした、クランクAssyの方が安いんです、ご自分で分解して組み立てるのであれば話は違いますが、ここからは内燃機屋さんの仕事になります、特に4サイクルのクランクピンの勘合は手ごわいです、プレスでクランクピンを抜いていきますが、大音量とともに一気にずれます、そこからまた圧を掛けて押していきます、あまりやりたくない作業です、そのようなクランクの話よりも、毎回ドキドキな作業はフライホイールの取り外しです、なぜかNMAX、Tricityはフライホイールの勘合がきついです、今回もまたこの作業に3日ほど費やしました、毎回ドキドキものです、炙り、叩き、浸透、冷却繰り返して3日間です、外れた瞬間はなんとも言えない至福の時です、その時の余韻にしばらく浸ります、なぜこんなに取れないかは謎ですがこれが毎回のルーティンです。

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時間を見て、浸透させ、炙って、冷やして、叩いて、回して思いつく限り試します、しかしビクともせず、頭をよぎるのはフライホールを切断している風景。

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外れてしまえばなんてことなくきれいな物です、錆ついてボロボロならいざ知らず、すまし顔が現れます、この3日間あれば十二分に作業は終わっています。

 どのぐらいで作業が終わりますか、との問いに今回はなんて答えましょうか、オークションでエンジン買った方が早かったですねとでも答えましょうか、人それぞれです。

 

GSX-S125セルモーター事件の顛末

GSX-S125のセルモーター不動にて分解したところブラシが減っていて作動不良、よくある話ですが、ブラシを注文する際よくよく調べると2種類のモーターが用意されていたようです、前期モデル(~2022)は2種類のセルモーターが存在していたらしくブラシの数が2個と4個のタイプがあるらしいです、後期モデル(2023~)はブラシ2個のタイプだけになったようです、このモーターは前期から継続して使われているモーターらしいです、また紛らわしいのは前期のパーツリストには4個ブラシ付モーターのみ記載があり、2個ブラシのモーターは記載がないのです、2個ブラシモーターは後期のパーツリストの記載図で確認できますが、印刷タイプのパーツリストにはブラシの図だけが抜けています、スズキのHPのパーツリスト閲覧にはすでに追加されていますので参考になるかと思います。

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前期モデル(~2022)の4個ブラシモーターの図です、本来はこのページの前後にもう1種類の2個ブラシモーターのページが存在するはずです、ブラシホルダーの共通性は無く取付ネジ位置は互換性がありませんでした。

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後期モデル(2023~)の2個ブラシモーターの図です、後からブラシの部分は追加されたようです、紙のパーツリストには記載がありません、紙パーツリストの図にはブラシホルダーのみ記載がありました。

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2個ブラシモーターはこのような刻印(浮き文字)があるみたいです。